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よくあるご質問

遺留分について

高知に住む父が亡くなりました。父の法定相続人は私と兄だけですが、父は近くに住む兄にすべて相続させる内容の遺言を残しておりました。私は、兄に遺言とは関係なく遺産分割協議をしたい旨を申し入れておりましたが、兄は受け入れてくれません。そうこうしているうちに、遺言があることを知ってから1年が経過してしまいました。遺留分減殺請求権は消滅しまったのでしょうか。

相続人から受贈者に対する遺産分割協議の申し入れ、調停の申し立てに、遺留分減殺の意思表示が含まれるかという問題です。

この点、遺産分割と遺留分減殺とは、その要件、効果や異なるので、原則として遺産分割協議の申し入れや、遺産分割調停の申し立てには、遺留分減殺の意思表示は含まれません。

もっとも、判例は、「被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合には、遺贈を受けなかった相続人が遺産の配分を求めるためには法律上、遺留分殺によるほかないのであるから、遺留分減殺請求権を有する相続人が、遺贈の効力を争うことなく、遺産分割協議の申入れをしたときは、特段の事情のない限り、その申入れには遺留分減殺の意思表示が含まれている」(最判平成10年6月11日)としています。この判例は遺産分割の申し入れに遺留分減殺の意思表示を含む一例を示すものですが、遺産のすべてがあなたのお兄さんに相続させる旨の遺言がなされているあなたの場合も、遺産分割協議の申し入れをしていれば、すでに遺留分減殺請求の意思表示がなされたと考えることができます。

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